オンラインサロンや情報商材が高額で販売される今、消費者から「価格に中身が見合わない」という声が増えています。特に、自己投資を神格化することで価格設定を正当化し、無料セミナーなどの場で消費者の感情を煽って判断力を鈍らせ、相場を外れた高額な商材の購入を即決させます。
この記事ではなぜこのような手法が通用するのか、その背景にある複合的な要因を詳しく解説します。自己投資を正当化するマーケティング手法の仕組み、それに煽られてしまう消費者心理、社会的要因まで、様々な角度から分析していこうと思います。
高額サロンや情報商材の販売手口とは?
1. ウェブ・SNSマーケティングの手法を悪用する
オンラインサロンや情報商材を高額で売り逃げする手法には、マーケティング心理学を巧妙に利用することが多いです。以下は、その代表的なテクニックです。
- 希少性や限定性を強調: 「○○名限定」や「本日中に購入すれば特典がつく」といった煽り文句で、消費者に焦りを感じさせ、冷静な判断を妨げます。
- 社会的証明の利用: 成功者や有名人を広告に使い、「みんなが参加しているから信頼できる」と消費者に思わせます。
- 高価格=高価値の誤解: 高額商品を「価値がある」と感じさせるため、価格が高いほど有益であるという思い込みを誘導します。
2.消費者心理・人間心理を操作し、過剰にあおる
販売者は、消費者の心理を巧みに操作することで、高額商品でも購入させやすくしています。主な心理的手法は次の通りです。
- 自己効力感を刺激: 「このサロンに参加すれば成功できる」というメッセージで、消費者には自分の力で未来を変えられる力があると高揚感を持たせ、判断力を鈍らせます。
- サンクコスト効果の活用: 一度高額な投資をすると、消費者は疑問を感じながらも無駄にしたくないという心理になり、そのまま課金を続けてしまうことがあります。
- 行動することを神格化: 「今行動しなければ成功しない」といったメッセージでプレッシャーを与え、消費者に焦りを与えます。
⒊社会の風潮と価値観に便乗する
オンラインサロンや情報商材の過剰な価格設定を正当化する社会的風潮も見逃せません。現代社会の価値観が影響しています。
- 成功哲学の浸透: 「自己投資は成功への道」とされ、自己投資をしなければ成功できないという価値観が広がっています。この風潮が、オンラインサロンや情報商材を高額で販売する環境を作り出しています。
- SNSによる刷り込み: SNSでは「自己成長」「成功」をアピールすることが一般的になり、自己投資がステータスと見なされやすくなっています。これにより、消費者が過剰な投資をしてしまうケースが増えています。
- 個人主義の強調: 現代では「自分の未来は自分で切り開くべきだ」という価値観が広がり、これが自己投資を正当化する根拠となります。
法的な抜け穴と消費者保護の限界
法的には、自己投資に対する過剰な価格設定自体は違法ではないため、販売者がリスクを回避しやすい状況にあります。以下の要素がその理由です。
- 価格設定の自由度: 高額商品を販売すること自体は法的に問題がないため、販売者はその価格設定を自由に決めることができます。
- 消費者保護の限界: 消費者が購入後に不満を抱えても、法的に対応できるケースは少なく、多くの人が泣き寝入りしてしまう状況です。
市場が未成熟で適正価格が曖昧
オンラインサロンや情報商材の市場自体が未成熟であるため、適正価格を見極める基準が曖昧であり、消費者が冷静に判断することが難しくなっています。
- 価値基準の不透明さ: 市場が成熟していないため、適正価格について消費者と販売者の間で明確な基準が確立されていません。
- 競争と淘汰がない: 競争がないため、商材が低品質でも改善が進みにくい状況があります。倫理観のない販売者であればマーケティングのみに注力し、商品内容によらず高額で販売する場合があります。
まとめ: 高額オンラインサロン・情報商材が売り逃げされる背景
高額オンラインサロンや情報商材が売り逃げされる(売り逃げできてしまう)背景として、巧妙なマーケティング手法、消費者心理の操作、社会的風潮、法的な抜け穴、市場の未成熟といった複合的な要因が挙げられます。これらを知ることだけでも、冷静に判断し無駄な投資を避けられるでしょう。
事前に講師の情報(素性や実績など)を検索して調べること、他の購入者のレビュー・評判をチェックすることが大切です。また、高額無形商材の購入を検討する際には値付けの妥当性を吟味し、信頼性の高い専門家や普通の教育機関に投資することを心掛けましょう。